店舗を開業する際、資金調達は最も重要なステップの一つです。新規の事業には設備投資や運転資金が必要で、自己資金だけでは十分でない場合も少なくありません。
そんなときに活用できるのが「創業融資」です。
今回は、日本政策金融公庫(以下、公庫)や地方自治体の制度融資など、店舗創業時に使える代表的な融資制度をご紹介します。
創業融資とは?
創業融資とは、新たに事業を始める際や創業間もない事業者が利用できる融資制度です。
主に公的機関や信用保証協会を通じた融資が多く、民間金融機関の融資とは異なり、創業者のリスクを軽減するための特典があります。
例えば、無担保・無保証人で融資を受けられる制度も多く、スタートアップにとって非常に魅力的です。
日本政策金融公庫の新創業融資制度
最も利用しやすい制度の一つが「新創業融資制度」です。
公庫が提供しているこの融資制度は、実績がない新規事業者でも利用可能で、原則として担保や保証人が不要です。
融資限度額は3,000万円(運転資金は1,500万円まで)で、利率は2.24%から3.20%程度が一般的です。
また、融資実行までのスピードも早く、約1か月で資金調達が可能となっています。
自治体の制度融資
自治体も、創業支援の一環として制度融資を提供しています。
信用保証協会と連携しているため、民間の金融機関よりも審査が通りやすいのが特徴です。
地方銀行や信用金庫を通じて利用できることが多く、創業直後の売上がまだ安定しない段階でも利用しやすいです。
また、自治体によっては金利の大部分を負担してくれるため、金利負担がほとんどない場合もあります。
例えば、港区では実質的に0.2%の低金利で融資を受けることが可能です。
創業融資を利用するメリット
1. 無担保・無保証人での融資
創業融資の大きなメリットは、無担保・無保証で融資を受けられる点です。
通常、融資を受けるには担保や保証人が必要ですが、新創業融資制度ではそれが免除されるため、リスクを大幅に軽減できます。
2. 低金利での資金調達
自治体が提供する制度融資は、公庫の融資と比較しても金利が低い場合が多く、融資金額に対する負担を抑えることができます。
特に、金利が0.2%程度まで低く抑えられる自治体の融資制度は、創業者にとって非常に有利です。
3. 融資実行のスピードが速い
公庫の新創業融資制度は、申請から融資実行まで約1か月程度と、比較的スピーディに資金調達が可能です。
新規事業をスムーズにスタートさせるためにも、迅速な資金調達が重要です。
創業融資を利用するためのポイント
1. 事業計画書の準備
創業融資を受けるためには、事業計画書の提出が必要です。
融資を受ける際、特に重要視されるのは「ビジネスモデルの実現性」と「返済可能性」です。しっかりとした事業計画を立て、将来の売上や利益の見通しを具体的に示すことが成功のカギとなります。
2. 自己資金の確保
多くの創業融資制度では、創業資金の一部を自己資金で賄うことが求められています。
例えば、新創業融資制度では、創業資金総額の10分の1以上の自己資金が必要とされています。
自己資金があることで、事業へのコミットメントや信頼性が高まり、融資審査が有利に働きます。
まとめ
創業時に必要な資金調達には、公的機関や自治体の創業融資を活用するのが効果的です。
特に、日本政策金融公庫の新創業融資制度や地方自治体の制度融資は、無担保・無保証で利用できるため、初期コストを抑えながら事業を軌道に乗せることが可能です。
これらの制度をうまく活用し、店舗の成功を目指しましょう。