創業融資の審査では、自己資金の割合が非常に重要なポイントとなります。自己資金は、起業家の信用力を示す要素のひとつであり、審査の結果に大きく影響します。
自己資金の目安は「1/3~1/2」
一般的に、日本政策金融公庫や他の金融機関から融資を受ける場合、自己資金の割合として「融資額の1/3から1/2程度」を確保することが推奨されています。この割合を基準に自己資金を準備することが、審査で有利になると言われています。たとえば、希望する融資額が1,000万円であれば、300~500万円程度の自己資金を用意するのが理想です。
自己資金の役割と注意点
自己資金は、単に金融機関に対しての信用度を上げるためのものではなく、事業を軌道に乗せるためのリスクヘッジとしても重要です。創業当初はキャッシュフローが不安定になることが多いため、一定の自己資金を持つことは事業運営において大切です。また、自己資金は「手元にあることが明確である」ことが重要であり、例えばタンス預金を突然銀行に入金するような方法では認められない場合もあります。
自己資金とみなされるもの
金融機関では、自己資金として認められる範囲についても厳しくチェックされます。給与からの貯金や退職金、資産売却による収益は自己資金として認められますが、借り入れたお金や出所不明の現金は自己資金と見なされません。また、創業融資申請前に事業に対して使用した資金(「みなし自己資金」)も認定されることがありますが、その場合には適切な証明書類の提出が求められます。
創業計画書の重要性
自己資金の多寡だけではなく、しっかりと練り上げられた創業計画書の内容も、審査において非常に重要です。特に日本政策金融公庫では、自己資金の割合が3割未満でも、優れた創業計画があれば審査に通過できるケースもあります。
まとめ
創業融資の審査においては、自己資金の割合として1/3から1/2を目安に準備し、創業計画書の内容もしっかりと整えておくことが成功のカギです。また、自己資金の証明や出所については細心の注意を払い、融資申請前にしっかりと準備しておくことが大切です。